「知財管理」誌

Vol.68 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 68巻(2018年) / 12号 / 1743頁
論文区分 判例と実務シリーズ(No. 489)
論文名 (No. 489) 物性要件及び組成要件で特定される発明に対するサポート要件の充足性─光学ガラス事件─
著者 奥村直樹
抄録  光学ガラス事件知財高裁判決は、組成要件と物性要件からなる光学ガラスに係る発明が明細書のサポート要件(特許法36条6項1号)を充たすか争われた事件である。本判決は、サポート要件充足性に関して偏光フィルム知財高裁大合議事件(知財高判平成17年11月11日判例時報1911号48頁)と同様の判断基準を示しつつ、「(本願発明が)サポート要件に適合するものといえるためには…本願組成要件で特定される光学ガラスが高い蓋然性をもって本願物性要件を満たし得るものであることを、発明の詳細な説明の記載や示唆又は本願出願時の技術常識から当業者が認識できることが必要」と判示した。物の発明において二種類のパラメータを用いて発明内容を特定することは実務上もよく行われるところであり、そのような発明におけるサポート要件充足性を考えるにあたって参考になると思われるので紹介する次第である。
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