「知財管理」誌
Vol.61 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 61巻(2011年) / 7号 / 1057頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No.396) |
論文名 | No.396 冒認出願に関する主張立証責任 |
著者 | 藤川 義人 |
抄録 | 冒認出願を理由とする特許無効審判においては、特許権者が、自らの特許出願が冒認出願によりなされたものでないことの主張立証責任を負担する。もっとも、先に出願されたことによって、正当な者による特許出願であることについて事実上の推定が働くことが少なくない。無効審判請求において、特許権者が、どの程度、具体的に主張立証すべきかは、無効審判請求人のした冒認出願を疑わせる事実に関する主張や立証の内容及び程度に左右される。正当な者によって特許出願がされたか否かは、発明の属する技術分野、専門性、大規模設備・時間の要否、発明者とされる者の知見、発明者と主張する者が複数存在する場合におけるその間の具体的実情や相互関係等、事案ごとの個別的な事情を総合考慮して、認定すべきである。実務上は、特に、特許を受ける権利又は特許権を譲り受ける場合に、注意すべきである。 |