「知財管理」誌
Vol.61 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 61巻(2011年) / 11号 / 1637頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 中国における意匠の類否判断についての考察−本田「CR-V」意匠権無効審判をめぐる行政紛争案件からみて− |
著者 | 張 雨 |
抄録 | 過去10年間、中国における意匠権の登録要件や権利侵害の判定要件は、類否判断の判断手法の場合「要部判断(重点)+総合判断」から「全体観察、総合判断」に、判断基準の場合「混同」から「顕著な影響」に変わってきた。2010年11月26日、最高人民法院は、本田CR-V意匠権に関する再審判決を下した。再審判決は、今後の類否判断において「区別特徴」の役割を重視すべきであることを示した。この意味は、「要部判断」は放棄されたというよりも、改良された上で受け継がれたと言った方が適切である。また再審判決では、「一般消費者」の知識水準を過度に低く考えないようにすべきことを示した。最高人民法院は、この案件の意味について、「本案判決は法律適用基準の統一に役立つものである」と指摘している。本再審判決をふまえ、今後は地方人民法院の多くの判決を見て、実務上の判断基準変化を把握すべきである。 |