「知財管理」誌
Vol.59 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 59巻(2009年) / 9号 / 1157頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No.369) |
論文名 | No.369 商標の適正な使用と認める範囲――「BRIDE」商標事件―― |
著者 | 安原正義 |
抄録 | 第1事件、第2事件では、同一の使用事実を基に、ほぼ同一の態様からなる2登録商標について、商標法53条1項に基づく不正使用取消審判(以下「53条審判」という。)に係る審決取消訴訟がそれぞれ争われた。 両事件の争点はほぼ共通するが、その争点の一つに、従来学説で唱えられていた、登録商標をその指定商品に使用する場合には、商標法53条1項の適用範囲外と解する同53条限定解釈の問題がある。 更に、商標法53条に同50条1項括弧書きを類推適用して、登録商標と社会通念上同一の商標の使用は、同53条1項の適用範囲外であるかが争われた。本件では、社会通念上同一は否定された。 本件で争われた商標の使用が、社会通念上同一に該当するか否かについては、先行する不使用取消審判に係る審決取消訴訟でも争われ、本件と異なり社会通念上同一の使用は認められた(知財高裁平成17年9月29日判決 平成17(行ケ)10470判決 以下「本件不使用取消判決」という)。 第1事件、第2事件は、本件不使用取消判決と併せて、「商標の適正な使用と認める範囲」を検討する上で、先例としての価値があると思われるので、紹介する。 |