「知財管理」誌
Vol.59 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 59巻(2009年) / 9号 / 1075頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 審査基準を中心に考えた進歩性 |
著者 | 黒田博道 |
抄録 | 「明細書の品質向上はどうあるべきか」について検討すると、結局進歩性の判断に行き着く。今回は、審査基準に記載されている内容から、進歩性を説明する。最初に、請求項に記載した発明であっても、進歩性が判断されない発明があること、及び進歩性が判断される際の発明の特定の手法を説明する。次いで、進歩性の解釈、特に「阻害要因」について説明した上で、当業者の説明、及び「動機付け」の判断が行われないままに拒絶される場合について説明する。更に、進歩性欠如を理由とする拒絶理由通知への対応、及び無効審判において進歩性欠如を主張するときの留意点を説明する。本稿では特に、「最適材料の選択・設計変更、単なる寄せ集め」であると判断されると、「動機付け」の判断を行わないままに「進歩性がない」との判断に至ることを理解していただくと共に、拒絶理由回避の上での「発明が解決しようとする課題」の位置づけ、無効審判請求時の「周知技術」の用い方について説明する。 |