「知財管理」誌
Vol.59 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 59巻(2009年) / 7号 / 769頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | オープンイノベーションと知財プロデューサー |
著者 | 清松久典 |
抄録 | 知的財産戦略に対する国際的潮流として、オープンイノベーションの動きが活発となっている。この背景には、プロパテント政策の行き過ぎが技術革新の阻害要因となっているとの認識や、技術の高度化や製品寿命の短命化により、従前のように一企業で垂直統合的に開発を進めることが困難となってきていることがある。今後、大企業のニーズ情報、ベンチャー企業のシーズ情報、中小企業の生産力を有機的に結び付けたニーズ先行型のオープンイノベーションが求められている。 ニーズ先行型のオープンイノベーションを成功させるためには、ニーズの把握から開発成果物の収益化までを総合的にプロデュースできる知財プロデューサーの役割が重要である。知財プロデューサーには、技術、市場、金融、知財に精通した能力が必要となる。また、開発成果物の統一的活用のために、オープンイノベーションのビークル(受け皿)として、知財信託等の活用が検討できる。 |