「知財管理」誌
Vol.59 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 59巻(2009年) / 6号 / 633頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | M&A における知的財産部門の役割―知財部門の戦略的活用のために― |
著者 | 知的財産マネジメント第2委員会第1小委員会 |
抄録 | 大恐慌以来の経済危機に瀕し、多くの企業は今、生き残りをかけあるいは危機をチャンスと捉えて、利益を産む新しい企業価値の創造に知恵を働かせる正念場を迎えている。M&A(企業の合併・買収1))は新しい企業価値を創造する一つの有力な手段だが、従来多くの日本のM&A経験企業では、知的財産が競争力の主要な一要因となるビジネスに於いてさえ、M&A検討プロセスへの知財部門の関与は精々のところデュー・ディリジェンス以降に限られていた。また、知財部門も、M&Aの知識・実務にあまり明るくないのが、多くの企業での実態であった。 本論説では、企業が利益を産むM&Aを成功させる一助とするため、まず知財部門に向けて、M&Aプロセスについて知っておくべき基本事項と知財部門が果たすべき役割をまとめた。更に、経営企画部等のM&A所管部門と知財部門に向けて、新しい企業価値を創造するM&Aの検討プロセス(特にM&A戦略立案や買収先候補選定といった初期フェーズ)に知財部門の専門機能を戦略的に活用するメリットを示すとともに、知財部門を戦略的に活用する上で重要と思われるポイントをまとめた。 |