「知財管理」誌
Vol.59 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 59巻(2009年) / 4号 / 433頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No.362) |
論文名 | No.362 引用例記載の用語の解釈が問題となった事例―液晶プロジェクタ用ガラス偏光板事件― |
著者 | 植木久一、植木久彦 |
抄録 | 本願発明は『「偏光膜」の一面にガラス板を、他方の面にガラス成型品を接着剤で接着した液晶プロジェクタ用ガラス偏光板』としたものである。引用例は『薄片状の「偏光板」の一面にガラス板を、他方の面に偏光板ガラスをそれぞれ接着層を介して設けた、液晶ライトバルブを用いた投写型液晶表示装置用のガラス偏光板』を内容とする。引用例の「偏光板」が「偏光膜」自体から構成された形態を含むと理解すべきか否かが最大の争点となり、裁判所は「偏光板」は「偏光膜」を排除しておらず、本願発明は引用例に実質的に開示されていると判断した。本稿では、引用例の技術用語の解釈が争点となった本件事案を紹介した後、審決・判決を通じ一致点・相違点の認定手法に問題はなかったのか、また、論理付けの構築プロセスに問題はなかったのかについて検討し、今後の実務の在り方について敷衍した。 |