「知財管理」誌
Vol.59 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 59巻(2009年) / 3号 / 323頁 |
論文区分 | 特集(標準化活動の動向と知財戦略) |
論文名 | バイオ分野の標準と特許発明-アクセス性の向上にむけて- |
著者 | 隅藏康一 |
抄録 | バイオ分野の標準は、研究において基準となるデータ、データ互換性を実現するための規格、標準物質・計量標準、デバイスの標準、研究方法・測定方法・マテリアルの標準に大別でき、それらは、測定・診断のツール、リサーチ・ツール、試験のツールとして用いられる。いずれの目的で使用する場合であっても、特許発明へのアクセス性を促進するためには、特許制度に内在されるメカニズムに依存するのみでは不十分である。そのため、パテント・プールなどの特許流通促進スキームの活用は、情報通信分野のみならずバイオ分野においても有効であるものと考えられる。また、研究コミュニティ内のルールとしてガイドラインを策定し、特許により研究活動が妨げられないような方向に誘導することも、ある程度の有効性を持つ。本稿では、特許発明が研究活動を阻害しないようにするための研究コミュニティ内のガイドライン、ならびに特許発明に対するアクセス性を高めるための特許権の集合的管理・流通のスキームについて、バイオ分野に適用されている事例を参照しながら整理する。 |