「知財管理」誌
Vol.59 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 59巻(2009年) / 11号 / 1451頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | バイオテクノロジー発明に対する米国の自明性判断に影響を及ぼすIn re Kubin判決の意義 |
著者 | バイオテクノロジー委員会第2小委員会 |
抄録 | 今回、我々は、In re Kubin(CAFC 2008-1184、以下、Kubin事件)の判決文を精読し、 米国におけるバイオテクノロジー発明に対する自明性判断に及ぼす影響を検討した。KSR事件を受け て、米国での自明性判断に大きな影響力を有していたIn re Deuel(51 F.3d 1552(Fed. Cir. 1995)、 以下、Deuel事件)で示された判断基準の影響力が後退すると共に、事案毎に異なる様々な事実に基 づいて様々な視点から自明性判断を慎重に行う態度が表明されている。この様な視点の一つとしてIn re O’Farrell(853 F.2d 894, 895-99(Fed. Cir. 1988)、以下、O’Farrell事件)で示された成功の合理 的期待(reasonable expectation of success)に対する判断基準が、KSR事件後に自明性が判断され た複数の事件と同様にKubin事件においても適用され、今後も自明性判断の一つの視点として有効に 機能することが確認された。 |