「知財管理」誌
Vol.59 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 59巻(2009年) / 10号 / 1237頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 「一回的解決型」の審決取消訴訟に臨むためには |
著者 | 特許第2 委員会第3 小委員会 |
抄録 | 審決取消訴訟の審理範囲は、審決理由に示された事実の、認定判断の違法性審理の範囲に 限られる。しかし「審決理由に示された事実」の具体的内容については議論がある。例えば本発明と 構成上一部相違点のある主引用例に、副引用例を組み合わせて進歩性を判断した審決の取消訴訟にお いて、引用例の主と副とを入れ替えたり、審決で着目した相違点以外の相違点に基づいて、再度進歩 性判断するような、審決と異なるプロセスによって審決の結論の妥当性を判断できるか、という議論 である。そして最近の判決の中には、このようなプロセス変更も含める審理により、所謂キャッチボ ール現象を回避すべく、事件の一回的解決を提案するものがあるように思える。従って本稿では、審 理範囲に関して裁判所が最近どのように考えているのか、今後どのような方向に向かうのかを分析す るとともに、その問題点についても検討し、それらに対して我々当事者はどのように対応してゆくべ きか、についての提言を行った。 |