「知財管理」誌

Vol.52 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 52巻(2002年) / 3号 / 321頁
論文区分 論説
論文名 最近の裁判例にみる禁反言の研究(その2)(完)
著者 吉田広志
抄録 本稿では、最近の裁判例を題材として特許侵害訴訟における禁反言について研究を行った。まず、具体的な議論に入る前に、なぜ特許侵害訴訟において禁反言が問題とされなければいけないか、特許法全体の趣旨からの考察を行った後、従来主張されていた学説および代表的な裁判例において禁反言がどうのように議論されてきたかを検証した。次に、均等論による侵害が問題となった事例で禁反言が主張された裁判例を題材に、ボールスプライン軸受判決で議論された内容を踏まえつつ、均等論が論ぜられる場合において禁反言をどのように機能させるべきか、特許法が定めるさまざまな制度の趣旨に鑑みて検討を行った。最後に、やはり最近の裁判例を題材として、無効審判や訂正審判において特許権者がなした主張について、禁反言の対象とすべきか、仮にすべきであるとしたなら、それに派生した問題は生じないか(例えば、なお係属中の審判において問題とされた主張の撤回を許すべきか、など)を議論した。
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