「知財管理」誌

Vol.52 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 52巻(2002年) / 1号 / 59頁
論文区分 特集(バイオを取り巻く知的財産の現状)
論文名 遺伝子・蛋白質関連発明の特許性について
著者 塚中哲雄
抄録 遺伝子関連発明が特許を受けるためには、遺伝子の機能解明がどの程度なされているかが、有用性の問題として大きな鍵となっている。日本国特許庁(JPO)は、最近出願の多い塩基配列の相同性検索により機能を推定している遺伝子関連発明に対する審査の考え方を、審査事例集として公表するとともに、日米欧の三極特許庁会合の場で審査実務の比較研究を行なった。有用性の考え方は三極特許庁でほぼ同じ考え方となってきたが、進歩性の考え方は日欧と米国の間で相違が見られた。ヒトゲノム解析がほぼ完了し、遺伝子のコードする蛋白質の機能解析、蛋白質をターゲット分子とする医薬開発が進み、また、蛋白質の立体構造の解析も進められようとしている。そして、スクリーニング方法で特定された化合物発明のような「リーチ・スルー」クレームについての特許性が課題となってきた。JPOは審査事例集を公表するとともに、三極特許庁の審査実務の比較研究を行ない、三庁は同じ考え方であることが確認された。
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