「知財管理」誌

Vol.47 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 47巻(1997年) / 10号 / 1435頁
論文区分 論説
論文名 新民事訴訟法の特許実務への影響
著者 特許委員会第2小委員会
抄録 民事訴訟法の改正案が平成8年6月に可決された。今回の改正は、大正15年以来70年ぶりの大改正として位置づけられている。知的財産業務に携わる我々にとって、裁判の手続きを定める民事訴訟法はそれ程馴染みのある法律ではない。訴訟を提起した場合でも、手続き部分は弁護士に任せておけばよいから民事訴訟法自体を詳しく知る必要なない、そんな印象が一般的であろう。しかし、今回の改正により、当事者が選択できる手続きの幅が広げられたばかりでなく、知的財産関係の訴訟を念頭にお置いた改正点も幾つか見られる。そのため、新民事訴訟法(以下「新法」という)は、現行民事訴訟法(以下「現行法」という)よりも一層我々の身近なものになったのである。我々としては、これまでのように訴訟専門家に任せておけばよいという無関心な態度では、具体的訴訟において相手方当事者の後手に立ってしまうことが考えれられる。そこで本稿では、知的財産部門の、少なくとも特許侵害訴訟の担当者が知っておくべき改正点を、現行法と対比しながら解説した。説明は、本文においては、訴訟法自体馴染みがない読者を前提として、新法の関連条文を併記したうえで、特許実務への影響をできるだけ平易に説明することを心がけた。そのため、学説、判例や、現時点で解釈の対立する部分は、文末の脚注で紹介することとした。また脚注では実務上の戦略についても簡単に触れたので、ご検討されたい。
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