「知財管理」誌
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掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 73巻(2023年) / 6号 / 732頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 542) |
論文名 | (No. 542) レーザ加工装置事件 |
著者 | 高橋政治/右田俊介 |
抄録 | 本事件は、引用発明のみを除く「除くクレーム」とする補正を行うことで進歩性が認められた事案である。本事件および関連する裁判例から検討すると、引用発明における課題を解決するための必須構成要件を除くクレームとすることで、本発明の進歩性が認められる可能性があると考えられる。また、本事件は、図面に基づく補正が認められた事案である。図面に基づく補正や訂正が新規事項に該当するか否かを判断するにあたっては明細書等の記載が総合的に判断されるため、出願時明細書に本発明の基本的な技術思想、各構成の作用効果等を明記すべきであると考えられる。また、図面のみに基づく補正が新規事項追加ではないと認められる可能性は高いとは言えないものの、一方で、除くクレームは新規事項追加ではないと判断される可能性が高いため、図面に基づく補正であっても、可能であれば本事件のように、除くクレームであると主張したうえで、図面にも基づいていると主張するべきと考えられる。 |