「知財管理」誌

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掲載巻(発行年) / 号 / 頁 74巻(2024年) / 8号 / 995頁
論文区分 判例と実務シリーズ(No. 554)
論文名 (No. 554) 分離観察と要部観察について─商標「遊VENTURE」事件─
著者 小椋崇吉
抄録  本件事件は、結合商標の構成部分の一部抽出が許されるか否かが争点となった事件である。従来からの3つの判断基準と異なる「など」の場合として、新たな判断基準「商標の外観等に照らし、商標全体としての構成上の一体性が希薄で、取引者、需要者がこれを分離して理解・把握し、その一部を略称等として認識する」か否かの基準を示した。「遊」の文字部分につき、識別力を検討することなく、外観的要素に関する新たな判断基準のみを検討し、一部抽出が許されるとする一方、分離された部分の全てが当然に要部になるとは限らないとの独自の見解を示した。識別力を有しない文字部分でも、新たな判断基準により分離できれば類否判断の対象とされ得る現象が生じかねない。本稿では、新たな判断基準や独自の見解の位置付けの検討を試みる。
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