「知財管理」誌
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掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 74巻(2024年) / 3号 / 281頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 単一色の商標登録要件についての国際比較──日本におけるルブタン判決を契機として─ |
著者 | 中村 仁/井出麻衣子/高櫻淳一 |
抄録 | ルブタンのハイヒールに付された赤色の商標の登録性について、知財高裁の判決がなされ、商標法3条1項3号に該当し、3条2項にも該当しないとした特許庁の拒絶の判断が支持された。公益性が強調され、「高度の自他商品識別力」が必要と判断している。しかし、単一色の商標について、3条2項該当性の判断において伝統的商標と比較して高い公益性を設定するのではなく、自由競争を不当に制限するおそれなどの高い公益性として、4条1項18号で判断すべきではないか。 米国及び欧州においても、単一色の商標の登録には、使用による識別力獲得が必要とされており、また、公益性の要件もある。さらに、米国では、機能性の要件が厳しい。欧州では、単一色商標の特定、使用により獲得した識別力立証の地理的範囲、という特有の困難性もある。本稿では、米国及び欧州における登録要件・出願時の留意点を整理した上で、日本における単一色の登録性及び取り得る対策を検討したい。 |