「知財管理」誌
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掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 75巻(2025年) / 1号 / 93頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 557) |
論文名 | (No. 557) 文字からなる結合商標につき構成部分の一部抽出の可否が争われた事例─商標「ベスリ会 東京TMSクリニック」事件─ |
著者 | 神田 雄 |
抄録 | 本件は、「ベスリ会」の文字を上段に、「東京TMSクリニック」の文字を下段に配した本願商標と、「東京TMSクリニック」の標準文字からなる引用商標との類否が争われた審決取消訴訟である。知財高裁は、本願商標における「東京TMSクリニック」の文字部分を要部と認定し、同部分を抽出して引用商標と対比することによって本願商標と引用商標が類似すると判断した。本件の知財高裁判決は、一部抽出の可否に関して取引の実情に重きをおいて判断をしたものといえる。本稿では、結合商標における構成部分の分離観察・一部抽出についての一連の最高裁判決と最近の知財高裁判決の傾向に基づく判断基準を概観しつつ、本件を紹介する。また、文字からなる結合商標の一部抽出が争われた最近の別件の大阪地裁判決も、参考として取り上げる。 |