「知財管理」誌
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掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 71巻(2021年) / 8号 / 1021頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 化学分野における公然実施製品と他者登録特許 |
著者 | 佐藤慧太 |
抄録 | 特に化学分野において、ある特許の出願日時点で販売していた化学製品が存在していたとしても、特許の審査段階では公然実施品が調査をされることは少なく、文献しか参照されないことが多いため、公然実施品の特性をパラメータ等で規定しただけで登録になってしまうことがある。また、特許出願前の公然実施品が存在する場合であっても、化学製品であれば経時変化の可能性がある。そのため、特許出願前と現在とでは組成が変化している可能性があり、特許出願前の公然実施品の実物を分析することによっても特許発明と同一であったことを証明することが困難な場合もある。そこで、本論説では、このような化学分野の問題点を踏まえて、公然実施に関する裁判例を概観した後、有用な証拠収集方法について検討していくことにする。 |