「知財管理」誌

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掲載巻(発行年) / 号 / 頁 73巻(2023年) / 3号 / 364頁
論文区分 判例と実務シリーズ(No. 538)
論文名 (No. 538) 知財高裁において特許法104条の推定が 認められ権利者逆転勝訴の判決が下された事案─エクオール含有抽出物事件─
著者 柏 延之
抄録  本事件は、エクオール含有抽出物の発明に係る特許第6275313号を基に、特許権侵害差止請求訴訟が提起され、原審において請求棄却判決が下されたものの、知財高裁における控訴審において、請求認容の逆転判決が下された事案である。ここでの最大の争点は特許法104条の推定規定の解釈・適用であり、具体的には、同条に規定する「特許出願」日の解釈、「公然知られた物でない」の解釈、並びに特許法104条の推定覆滅の成否について特に争われた。化学分野において昭和50年改正により物質特許が認められ、特許法104条の重要性が薄れるなか、本件は同条により生産方法の推定が認められた極めて珍しいケ−スである。そこで、本稿では、知財高裁の判決と原判決を比較しつつ、特許法104条の解釈・適用に関する法律上の論点、並びに分割出願を見据えた実務上の留意点等について考察する。
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