「知財管理」誌
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掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 66巻(2016年) / 6号 / 650頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | iPS細胞の製法特許の記載要件に関する審査傾向,拒絶対応の分析・考察 |
著者 | 徳重大輔 |
抄録 | 再生医療などに応用される新しいバイオ医療技術として、人工多能性幹細胞(以下「iPS細胞」と略す)に関する技術が注目されている。この分野の最も基本的な発明としては、Oct3/4、Sox2、Klf4、c-Mycの4因子の導入で体細胞をリプログラミングすることに基づく製法発明があり、製法特許が取得されている。この製法が報告されてから10年程が経ち、現在では、上記4因子の一部のみを使用する製法や、いずれも使用しない製法が種々発明、出願されている。一方で、新しい分野であるため審査・拒絶対応の蓄積が少なく、明細書作成や拒絶応答の効果的な進め方について不確かな点が多い。そこで、本稿では、iPS細胞の製法特許の記載要件について、審査傾向、拒絶対応の分析・考察を行った。その結果、初期化因子や出発細胞などに関して特徴的な拒絶理由や拒絶応答が見られ、より良い明細書作成や拒絶応答のためのいくつかの指針が得られた。 |