「知財管理」誌
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掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 75巻(2025年) / 1号 / 109頁 |
論文区分 | 海外注目判決(No. 100) |
論文名 | (No. 100) [欧州]UPCにおける差し止め命令の事件例 |
著者 | マルクス・ロッセル/井上悠輝 |
抄録 | UPCA(統一特許裁判所に関する協定)の発効前は、ドイツが欧州で最も好まれる訴訟地であり、例えば差止命令に関してデュッセルドルフとミュンヘンの地方裁判所との間で、どのような条件下で請求対象の特許の有効性が十分に確保されるか、という問題に関し、判決の相違があった。今回のUPCの決定から、差止命令に関するUPCの詳細なアプローチが見て取れ(UPC_CFI_2/2023参照1))、それはすでに第二審でも確認され(UPC_CoA_335/2023参照2))、他の地方部(例えばUPC_ CFI_463/2023など3))でも踏襲されている。したがって、UPCの地方部の間で、差止命令に関する調和されたアプローチが見られることが期待される。ここでは、UPC_CFI_2/2023とUPC_CoA_335/2023との2つの決定を用いて状況を説明し、UPCにおける差止請求(または差止命令に対する抗弁)の要件と実務に関するガイダンスを提供していく。 |