「知財管理」誌

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掲載巻(発行年) / 号 / 頁 73巻(2023年) / 8号 / 992頁
論文区分 判例と実務シリーズ(No. 544)
論文名 (No. 544) 発明特定事項ではない事項によって 進歩性の判断が特許庁の判断と異なった事例
著者 牧野知彦
抄録  文献公知にかかる新規性や進歩性判断における近時の実務においては、対象とされる特許発明の認定や公知文献に記載された発明の認定において、明細書や文献の記載事項を文言どおりに解釈し、その実質的な意味をあまり考慮しない傾向があるように感じている。このような認定手法は文献公知を主張する以上、判断者の主観的な認識を排して当該文献に明示された事項に基づく「発明」を客観的に認定するという意味では妥当な面もあるが、その反面、対象となる特許発明の記載に問題がある場合には、そのような発明(技術的思想)が公知文献に記載されていないという理由によって、かえって新規性や進歩性が認められることが多いように感じている。本件もそのような事案であると思われるため、紹介する。
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