「知財管理」誌

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掲載巻(発行年) / 号 / 頁 73巻(2023年) / 11号 / 1381頁
論文区分 判例と実務シリーズ(No. 546)
論文名 (No. 546) システム発明の「生産」該当性 及び主体を判断した大合議判決 ─国境を跨いだシステム構築によるサービス提供行為について─
著者 重冨貴光
抄録  知財高裁は、ネットワーク型システム構成要素の一部であるサーバが国外に存在する場合にシステム発明の「生産」に該当するか、誰が「生産」主体といえるかにつき大合議判決をした。特に重要な判断事項として、属地主義の厳格適用を修正し、システムを新たに作り出す行為が我が国の領域内で行われたものとみることができるときは、特許法2条3項1号の「生産」に該当すると判断した点(規範的評価論)挙げられる。規範的評価論は、今後、システム発明以外のネットワーク関連発明の実施該当性にも応用され、発明の構成要素の一部が国外に存在する場合でも実施該当性が肯定される事態が想定される。大合議判決は、「生産」該当性に関し、種々の要素を総合考慮する考え方を示した(総合考慮論)が、例示した4つの考慮要素がどのように考慮されるか(各考慮要素の考慮度合いの軽重)、4つ以外の考慮要素がどのようなものであるか等の未解決問題を残した。
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