「知財管理」誌
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掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 74巻(2024年) / 3号 / 380頁 |
論文区分 | 資料 |
論文名 | 中国商標権に基づく不当な権利行使事件における 「権利濫用の禁止」原則の適用について |
著者 | 鐘 鳴鐘/雨 姍(訳) |
抄録 | 本稿では、中国における商標権に基づく不当な権利行使に関する15件の民事訴訟事例を整理し、その要旨をまとめ、裁判を評価することにより、不当な権利行使行為の認定方式と規制モデルを探った。中国における商標権に基づく不当な権利行使行為を規制するキーポイントは、「権利濫用の禁止」原則の適用にある。「権利濫用の禁止」原則は一般条項として、「構成要件該当−法的効果の発生」という適用の仕組みを利用できないため、認定に必要な各要素とその重みを識別して総合的に判定すべきである。悪意で商標権を登録して行使するという最も深刻な行為については、その主な目的である悪意に基づいて権利濫用と認定すべきである。本稿では、「権利濫用の禁止」原則を適用して中国における商標権に基づく不当な権利行使行為を規制するための、権利の基礎、行為の形態、濫用の認定及び法的効果という四つの側面をまとめた。 |