「知財管理」誌
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掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 73巻(2023年) / 3号 / 312頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 情報提供からみた 特許審査の質の向上に関する調査・研究 |
著者 | 特許第1 委員会 第3 小委員会 |
抄録 | 日本の特許審査、特に進歩性判断が「甘い」のではないかとの指摘が産業界から挙がっている。本稿では、特許審査が「甘い」と感じる要因として、いわゆる当業者について、特許庁や知財業界が想定する水準と、実際の当業者の水準とに乖離があると考え、この認識の乖離を埋めるために情報提供を活用できないかと考えた。現状における情報提供の実態を調査した結果、情報提供によって審査の「甘さ」を是正する一定の効果が期待できる一方で、第三者にとってはリスクも大きく活用しにくい面があることを確認した。審査の「甘さ」が、第三者から見た納得感の欠如に起因して生じているのだとすれば、情報提供をより積極的に活用することが望まれ、第三者の意見を広く取り入れるとともに審査官の判断が外部から理解できるよう、情報提供の制度設計や運用を見直すことが好ましいと考える。 |