国際活動

五極特許庁・ユーザ会合、三極ユーザ会合への参加報告

 2017年5月29日〜31日、マルタ共和国にて開催された三極ユーザ会合および五極特許庁・ユーザ会合に、国際政策プロジェクト担当の足立副理事長、同プロジェクトから宮下リーダ、大塚、金平、池嶌と事務局1名が参加しました。
 三極ユーザ会合では、ここ数年間にわたりB+サブグループ(先進国特許庁グループ)にて継続されている、実体面での特許制度調和議論の各項目につき、また五極特許庁・ユーザ会合においては、日米欧中韓の特許庁 およびWIPOとの間で、五極特許庁(IP5)がすすめる様々な施策に対して意見交換を行いました。
 これらの会合では短期間ながらも幅広い主題に関する活発な討議が行われ、参加者は各国特許庁のサービスの品質の向上、特許システムの利便性の向上や制度調和の進展に向けて日本のユーザを代表して積極的に議論に参加し、意見・要望を発信してまいりました。
  1. 三極ユーザ会合(5月29、30日)
     B+サブグループ(カナダ、デンマーク、ドイツ、ハンガリー、日本、韓国、スペイン、イギリス、アメリカ、EPOの各特許庁から構成されるグループ)においては、2014年より特許法における実体面での制度調和議論が すすめられており、現在はユーザにとっても影響の大きいグレースピリオド(日本における新規性喪失の例外規定)、衝突出願(公開前先出願における後願排除効)、先使用権、および18か月公開の4項目が 検討対象項目となっています。 日米欧の三極ユーザ団体(JIPA、AIPLA、IPO、Business Europe)は、初期段階から継続的にこのB+サブグループとの制度調和議論に参画してきております。
     今回の会合では、これまでの庁側及びユーザ側での検討結果を踏まえて本年6月に開催予定のB+サブグループ主催の制度調和シンポジウムに向け、三極ユーザとして発信する制度調和についての詳細議論と 現時点での最終合意文書の作成を行い、併せて現状課題や今後への提言について話し合いました。
  2. 五極特許庁・ユーザ会合(5月31日)
     三極ユーザ会合に引き続き、韓国および中国のユーザ(それぞれ、KINPAおよびPPAC)を交えた五極ユーザが集まり、日米欧中韓の各特許庁(IP5)およびWIPOとの間で、IP5がすすめる種々の施策に対して 意見交換を行いました。具体的には、本年1月に会合が開催されたGlobal Dossier Task Force (GDTF)およびIP5 Industry Consultation Group (ICG)における各作業項目の現状および今後予定について、各国ユーザとの間で活発な議論が交わされました(具体的項目については、協会活動>国際活動:「グローバルドシエ、五極特許庁・ユーザ会合等への参加報告」(2017年1月19日)をご参照下さい)。

     更にIP5庁間連携の取組みが本年10年目、五極ユーザとの会合が5年目という節目の年を迎えるにあたり、これまで10年間の取組成果の振返りに加え、今後に向けての新たな取組である戦略的項目(Strategic topics) として各特許庁からアイデアが共有されました。日本特許庁からは第4次産業革命に対応した日本特許庁他の取組が紹介され、例えばIoT分類の整備や標準化に関して等、ユーザおよび他庁との間での活発な議論がなされました。
     最後に今後も庁・ユーザ間の密な連携を継続していくことを確認し閉会されました。次回の五極特許庁・ユーザ会合は2018年6月12〜14日に米国、ジャクソンビルにて開催される予定です。


  • 五極特許庁・ユーザ会合
  • 五極特許庁・ユーザ会合終了後レセプション

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