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国際活動
グローバルドシエ、五極特許庁・ユーザ会合等への参加報告
2017年1月15日〜19日に渡って、欧州特許庁にて開催されたグローバルドシエ等の複数の会合に、国際政策プロジェクトの宮下リーダ、加藤(前情報システム委員長)、
大塚(現特許第1副委員長)が参加してきました。この複数の会合は、日米欧中韓五大特許庁会合のワーキンググループ2会合の開催日程に合わせて開催された、実体ハーモナイゼーションの項目を
議論するための三極ユーザ会合、特許庁との会合のトピックについて意見交換等を行うための五極ユーザ会合、特許庁との会合であるグローバルドシエ(GDTF)第4回会合及びインダストリ・
コンサルテーション(ICG)第1回会合です。これらの会合では、雪模様で且つ氷点下の気温が続く厳しい天候条件の中で、短期間ながらも、幅広い主題に関する討議が行われ、参加者は、
特許庁のサービスの品質の向上、特許システムの利便性の向上や制度調和の進展に向けて日本のユーザを代表して積極的に議論に参加し、意見・要望を発信してまいりました。
- 三極ユーザ会合(1月15、16日)
日米欧三極ユーザ(JIPA、AIPLA、IPO、Business Europe)が集まり、B+グループにおいて検討がすすめられている特許法に関する実体面の制度調和について三極ユーザから発信する内容について 想定シナリオや調和の解決方法について2日にわたり、議論を行い、課題を整理するとともに、今後のすすめかたについて話し合いました。具体的な項目は、ユーザにとって関心の高いグレースピリオド (日本における新規性喪失の例外規定)、衝突出願(公開前先出願における後願排除効)、先使用権です。 - 五極ユーザ会合(1月17日) 三極ユーザ会合に引き続き、韓国および中国のユーザ(それぞれ、KINPAおよびPPAC)を交えた五極ユーザが集まり、特許庁とのGDTF会合及びICG会合において取り上げられる項目について意見交換を行い、 具体的なユーザからのインプット(意見・要望等)について話し合いました。GDTF会合では公衆向けワンポータルドシエ(OPD)の改善要望を出すこととし、JIPAからは、XMLの活用法、XML情報の自動取込ツール、 及び欧州出願のXML化について、意見・要望を述べる事としました。また、ICG会合では、JIPAからは記載要件について意見・要望を述べる事を合意しました。
- 第4回GDTF会合(1月18日)
各庁におけるOPDの利用状況や優先五項目(アラート機能、XMLファイリング、出願人名称の標準化、リーガルステータス、プルーフオブコンセプト)の報告を受け、ユーザからは各庁のOPDの足並みを 揃える事、引例ダウンロード、非特許文献の掲載、機械翻訳の質向上、サービス時間の延長といった要望が提出されました。また、JIPAによるXML自動取込ツールのビデオ紹介は特許庁側にも大変好評で、 他極ユーザの懸念払拭に大いに貢献したと思われます。今回会合では、EPOはpdfによる電子出願を止め、docx形式での電子出願に移行することの発表があり、XML化に向けて大きな前進が見られました。 - 第1回ICG会合(1月19日)
この会議は、グローバルドシエ以外の五大特許庁間で行われている実務的なイニシャティブについて、ユーザとより深い議論を行うために、今回初めて開催された会議です。今回の会合でPatent Harmonization Experts Panel (PHEP)で検討されている項目(記載要件、発明の単一性、先行技術の引用)、PCT協同調査のプロトタイプ、品質の向上のための情報発信に関するプロジェクトについて、各担当特許庁より現状及び 今後の進め方についての報告が行われるとともに、ユーザからの質問も多く、ユーザからは要望だけでなく、積極的に課題解決、目的達成のための意見がだされ、活発な議論が行われました。記載要件、発明の 単一性については、JIPAの調査研究の成果に基づく意見や五極ユーザの取りまとめ役としてフィードバックを行い、特許庁との議論に貢献しました。