「知財管理」誌
Vol.70 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 70巻(2020年) / 9号 / 1253頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 特許翻訳に適した ニューラル機械翻訳システムの現状と課題 |
著者 | 本間 奨 |
抄録 | AI翻訳(ニューラル機械翻訳NMT)技術の進展が著しい。翻訳業界でも特許出願明細書の翻訳にNMTを取り入れ翻訳の生産性を向上する動きが加速してきている。本報告では、最初に機械翻訳システムの翻訳精度の自動評価法を紹介し、この評価法をもとに、特に特許にフォーカスしたNICTの新世代翻訳エンジンの実力を中心にGoogle翻訳と比較レビューする。さらにNMTの課題として、長文の「訳抜け」並びに「化合物表記」の課題を取り上げ、その対応策について解説する。NMTを実務に適用する場合、翻訳作業のワークベンチとなる「翻訳支援ツール」の重要性と、「翻訳支援ツール」を用いた明細書原文前編集の例についても解説する。最後に最新のNMTを適切に用いた場合、どの程度生産性向上が見込めるかについても翻訳者の評価に基づく事例を紹介する。 |