「知財管理」誌
Vol.70 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 70巻(2020年) / 7号 / 1011頁 |
論文区分 | 海外注目判決(Nol 47) |
論文名 | (No. 47) [米国]均等論に関する連邦巡回控訴裁判所(CAFC)判決 |
著者 | 有馬佑輔/ハーマン・パリス/伊東忠重/吉田千秋 |
抄録 | 米国の特許侵害訴訟において特許権者が均等論を主張し、均等物が認められるケースの数は、2000年頃より著しく減少している1)。米国の特許侵害訴訟において、均等論に基づく均等物の判断は事実問題であり、陪審員によって事実認定が行われるため、特許権者にとって均等論に基づくクレーム解釈を不確実にしていることや、審査経過禁反言を反駁するための要件の厳しさにより、均等論の主張には大きな障壁を伴うこと等がその要因と考えられる。本稿では2019年のCAFC判決に基づき、均等論に対する裁判所の判断の傾向を纏めた。個々のクレームと被疑侵害製品の特徴との比較により均等論を主張するシナリオが異なるが、審査経過中に留意すべき点を幾つか提案するとともに、米国特許商標庁に対する応答書に記載した主張に基づく審査経過禁反言を主張されないための、審査官とのインタビューの有効性についても改めて確認した。 |