「知財管理」誌
Vol.70 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 70巻(2020年) / 5号 / 601頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 商品識別番号の改変と商標権侵害─商標の品質保証機能を重視する立場から─ |
著者 | 玉井克哉 |
抄録 | 2003年のフレッドペリー事件最高裁判決は、商標の品質保証機能を商標権の法的機能とし て正面から認め、かつ品質のコントロールをその中心に据えた。しかし、商品が流通に置かれた後で 事後的に改変が加えられる類型については、検討すべき課題を残した。その点、米国法には豊富な先 例の蓄積があり、商標権者の設定した流通チャネルを不当に逸脱させる商品流通、特に商品識別番号 の改変は、商標権侵害を構成する。その考え方は、商標権者に品質保証を促し、消費者の利益となる だけでなく、従前の裁判例とも無理なく整合するものであり、わが国でも採用すべきである。 |