「知財管理」誌
Vol.70 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 70巻(2020年) / 4号 / 417頁 |
論文区分 | 特集(“知財”を超える) |
論文名 | 特許の歴史から学ぶデジタル新時代の知的財産活動 |
著者 | 戸田裕二 |
抄録 | ヴェネツィアで世界最初の特許制度が制定されたのは、交易国家としての生き残りをかけ たルールメイキングであり、ビジネスモデルの転換であった。ヴェネツィアで生まれた特許制度は世 界各地に拡がっていき、18世紀後半の第一次産業革命、19世紀後半から20世紀初めの第二次産業革命、 そして、20世紀後半以降の第三次産業革命を牽引するドライバとなっていく。アメリカを中心にプロ パテントとアンチパテントの波が繰り返されていくが、その契機となったのは、パテント・トロール などの独占による弊害や貿易摩擦などの問題であった。 2010年代に入り、第四次産業革命、Society 5.0といった言葉が使われ始め、ビジネスや人々の暮ら しが大きく変わるデジタル新時代を迎えている。このような時代にあって、どのような知的財産活動 を行っていけばよいのだろうか。産業革命と特許の歴史からの学びを踏まえ、競争と協創の特許活動、 及び、情報・データなどの情報財に着目した知的財産活動について論じる。 |