「知財管理」誌
Vol.70 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 70巻(2020年) / 3号 / 289頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 中国知財訴訟における証拠収集の実務─特許権侵害訴訟を中心に─ |
著者 | 本橋たえ子/分部悠介 |
抄録 | 近年、中国では、従来の単純なブランドフリーライド型の模倣品に加えて、より複雑かつ巧妙な、デザインやアイデアといった、技術開発成果盗用型の模倣品、すなわち、特許権侵害品が急激に増加しており、その被害に遭い、中国での特許権行使を検討、実行する日系企業も増えてきている。他方で、中国企業による特許権出願件数及び知財訴訟の件数も右肩上がりに増加する中で、日系企業が被告の立場に立たされるリスクも増大している。原告、被告いずれの立場でも、自己の主張をどれだけ証拠によって客観的に裏付けられるかが重要となるところ、中国知財訴訟においては、いわゆる「立証難」問題を背景として、公証購入をはじめ、証拠収集に関して、日本にはないプラクティスが存在する。本稿では、特に、特許権侵害訴訟を中心として、中国知財訴訟における証拠収集の特徴及び実務上の留意点を、原告/被告、双方の立場から、説明する。 |