「知財管理」誌
Vol.70 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 70巻(2020年) / 11号 / 1636頁 |
論文区分 | 海外注目判決(No. 52) |
論文名 | (No. 52) [ドイツ]先使用の実施形式の変更と先使用権の範囲 |
著者 | ミヒャエル・ファイファー |
抄録 | ドイツ特許法においては、先使用権の所有者に使用行為を変更する権利があるのか、またどの範囲が許されるのか、長い間明確ではなかった。今回の大型保護カバー(Schutzverkleidung)事件判決(2019年5月14日付)で、連邦最高裁判所(Bundesgerichtshof, FCJ)は定性的な手法を採用した。先使用者は、同等の形で特許権を使用する限りにおいて製品の変更が許される。しかし、変更によって初めて具現される発明の効果が加わっている(zusätzlicher Vorteil)場合には、先使用権の範囲を超えることになる。 ドイツの連邦最高裁判所が先使用権に関わる判決を下すのは珍しいことである。この事件を基に、本稿ではドイツ特許法における先使用権の範囲について、実体的・経済的・人格的な観点から検証する。 |