「知財管理」誌
Vol.70 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 70巻(2020年) / 11号 / 1536頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 商標登録表示と虚偽表示 |
著者 | 西村雅子 |
抄録 | 登録商標に登録表示を付すことは義務ではないが、登録商標の希釈化防止、不使用取消審判の場面で、商標として使用していることの立証に資するといえる。登録商標と同一性がない商標に登録表示を付すことは虚偽表示となるが、同一性の範囲がしばしば問題となる。商標法上の虚偽表示は、不正競争防止法上の品質等誤認惹起行為とも関係する。出願の場面では、4条1項16号の適用、登録後は、51条及び53条の適用について、品質誤認のおそれに留意する必要があるが、商標登録表示は特許表示とは性質を異にすると考えられる。商標登録表示が義務ではないこと、登録表示として®記号、未登録商標にTM記号を表示することは各国でも(今回リサーチ範囲で)共通している。しかし、登録表示が、外国で登録されているが当該国では登録されていない商標に付されていても虚偽表示に当たらないかは確認が必要である。 |