「知財管理」誌
Vol.70 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 70巻(2020年) / 11号 / 1527頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 欧州連合商標と欧州各国商標の 他人間における重複登録に関する考察 |
著者 | 松井宏記 |
抄録 | 欧州連合商標の商標登録を得た場合、欧州連合28か国をカバーする商標権となる1)。一方で、欧州連合各国の国内商標制度も併存している。欧州連合商標および欧州国内商標ともに先後願を審査せず異議申立等の当事者の申し立てによる調整を図る制度となっているため、商標権者が他人の商標を適切に排除しなければ、欧州連合商標と欧州国内商標が同一類似の範囲で他人間による重複登録が生じる。また、異議申立等における先後願の類似判断が欧州連合知的財産庁と各国特許庁で異なる場合もあり得る。この場合の商標権の調整、商標使用による侵害の成否、使用事実の保護について考察し、日本企業が欧州においていかなる段階で商標権を確保できて、商標を安全に使用できると言える状態になるのかについて考察する。 |