「知財管理」誌
Vol.70 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 70巻(2020年) / 10号 / 1475頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 509) |
論文名 | (No. 509) 進歩性判断における引用例中の推論的記載の参酌─「海生生物の付着防止方法」事件─ |
著者 | 中野睦子 |
抄録 | 進歩性の判断において置換の容易想到性が争われることは少なくないが、本件は、推論的記載に基づいて主引用発明を認定し「置換する動機付けがあるとはいえない」として進歩性を認めた審決を、知財高裁が取り消した事件である。主引用例の推論的記載を、特許庁では形式的に採用したのに対して、裁判所では「実証的なデータ等により確認したものではない」と採用しなかった。本稿では、この裁判例から、引用例における推論的記載に基づく進歩性の判断、特に引用発明の認定、並びに動機付け及び阻害要因について考察を行った。 |