「知財管理」誌
Vol.69 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 69巻(2019年) / 7号 / 947頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 欧州特許庁における第4次産業革命関連技術の出願権利化の現状と留意点 |
著者 | 国際第2 委員会第2 小委員会 |
抄録 | 情報技術の発展によるビジネスの変革である第4次産業革命は、世界中で急速に拡がっている。そこで、第4次産業革命を支えるIoTやビッグデータ、AIといった情報関連技術の欧州における出願権利化状況を把握するべく、欧州特許庁における出願動向と審査実務について調査した。欧州特許庁では、これらの技術に関し日米中よりも出願数が少なく、特許査定率も低いことが明らかになった。また、拒絶理由の分析から、進歩性の判断におけるNon-technicalの認定があった場合に、その認定を覆すことができた出願はわずかであり、進歩性欠如の拒絶理由を解消することが困難であることも明らかになった。さらに、記載要件違反の内容を分類し、IoT等に関連する発明において用語の定義や発明特定事項間の関係性を明確化することが求められることを見出した。本稿では、各技術の権利化状況と拒絶理由の特徴を明らかにし、上記Non-technical認定の解消も含め、権利化に向けた留意点を提案する。 |