「知財管理」誌

Vol.69 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 69巻(2019年) / 7号 / 914頁
論文区分 論説
論文名 大学における知的財産の管理と企業からみた産学連携における留意点
著者 小林和人
抄録  日本企業のオープンイノベーションの加速化において、国内の大学との産学連携の円滑な推進は極めて重要である。しかし、大学では研究成果の知的財産の管理にさまざまな課題がある。これらの課題は単に大学の内部の問題にとどまらず、産学連携のパートナーとなる企業に与える影響も小さくない。具体的には、法人著作の当否、オープンソースソフトウェアの利用、研究者の転出、品質保証・知財補償などを挙げることができる。その背景的理由は、大学はもともと研究と教育を目的として設計された組織であって、大学が研究者に対して指揮命令して知的財産となるような成果を作成させる組織ではなかったことにある。本論は、国内の大学での知的財産の管理を巡る諸課題を整理した上で、日本企業が大学や研究機関と共同研究やライセンスの契約を締結するに際して認識しておくべき事項を分析し、準備しておくべき対応について考察を加えた。
Copyright (C) Japan Intellectual Property Association All Rights Reserved.