「知財管理」誌

Vol.69 記事詳細

掲載巻(発行年) / 号 / 頁 69巻(2019年) / 3号 / 388頁
論文区分 海外注目判決(No. 38)
論文名 (No. 38) [米国]USPTOのInter Partes Reviewの行い方に誤りがあったと認定したSAS判決の影響と対応
著者 阿部英正ジェームス
抄録  2012年9月16日より導入された米国における特許無効審判の一つであるinter partes review(IPR)に関して、米国特許商標庁(USPTO)はこれまで無効請求の中で有力な主張のみを部分的にレビュー、または重複する無効主張に関しては一部のみをレビューするpartial institutionを行ってきた。しかし、2018年4月24日のSAS Institute Inc. v. Iancu判決において連邦最高裁判所は、partial institutionは制定法の文言に反するとして、これまでのUSPTOのIPRの運用を否定した。これにより、IPRの請求人に対する禁反言の範囲や、侵害訴訟に対する停止命令の取りやすさに影響があるだろう。結果として、IPR戦略も大きく変わり、IPRを利用するかの判断、IPRの請求方法や内容、特許権者の対応もそれぞれ変わる。本稿では、SAS判決の今後のIPRへの影響について考察する。
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