「知財管理」誌
Vol.69 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 69巻(2019年) / 3号 / 354頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 裁判所におけるクレームの文言解釈に関する考察 |
著者 | 特許第2 委員会第1 小委員会 |
抄録 | 発明の要旨認定及び特許発明の技術的範囲の確定の両場面におけるクレームの文言解釈は、企業における特許出願戦略及び権利活用戦略の基礎となるものであって、これらの最新動向を把握することは、企業における知的財産戦略を遂行するうえで不可欠である。そこで、本研究では、発明の要旨認定場面でのクレームの文言解釈を中心に、近年の裁判所におけるクレームの文言解釈の傾向を分析した。特許権侵害訴訟におけるクレームの文言解釈は、発明の要旨認定及び特許発明の技術的範囲の確定の両場面で同一の基準により行う傾向であることが分かった。また、裁判所における発明の要旨認定において、文言間の技術的関係が不明確なクレーム、文言が出願時の技術常識等を考慮してもその意義が一義的に明らかでないクレーム、記載された文言そのものが社会一般的に使用されるものではないクレームは、リパーゼ最高裁判決の「特段の事情」があると判断される傾向であることが分かった。 |