「知財管理」誌
Vol.69 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 69巻(2019年) / 1号 / 5頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | ビジネスと経済連携協定(EPA)の知的財産分野の合意 |
著者 | 小山隆史 |
抄録 | 企業が海外進出や自社製品の輸出をするにあたっては、相手国の様々な制度や事情を事前に検討するが、知的財産制度や権利行使の実効性も検討すべき事項の1つである。我が国が推進する経済連携協定(EPA)は、関税の撤廃・削減や投資・サービスの自由化に加え、日本企業が相手国でビジネスを行うための安定した環境を提供し、リスクを低減させる仕組みをもたらすが、EPAの知的財産分野の合意は、そのような環境や仕組みを知財ルールの観点から支えるものである。本稿では、我が国のEPAの知的財産分野の合意について、ビジネスの観点から、TPPや日EU・EPA、「投資家と国との間の紛争解決」(ISDS)の利用といった最近の進展も踏まえて整理する。まずEPAの交渉分野と知財分野の位置づけを述べ、米国及びEUのFTAにおける知財戦略を紹介する。続いて、我が国のEPAから日本企業が受け得るメリットの具体例について詳しく解説する。さらに、最近の交渉におけるトレンドや懸念事項、企業として注目すべきポイントについても触れる。 |