「知財管理」誌
Vol.69 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 69巻(2019年) / 1号 / 28頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 特許事件に関する近時の米国連邦最高裁判例の傾向 |
著者 | 片山英二/黒田薫 |
抄録 | 近年、米国の連邦最高裁判例が採り上げる特許事件が増加傾向にあり、その背景には、主として連邦最高裁判所にみられる連邦巡回控訴裁判所(CAFC)が示す明確な規範を排除する傾向(傾向(1))と、特許法を一般法領域と調和させたがる傾向(傾向(2))の2つの傾向がみられる。本稿では、この2つの傾向についての説明と、これらの傾向が見られる主な判例を紹介し、併せて直近2年の最高裁判例にこれらの傾向がみられるかについて検討を行った。そもそも、CAFCの設立目的の一つが特許法に均一性と予見可能性をもたらすことであることから、CAFCは、その目的に従い、今後も明確な規範を示し続けると思われ、連邦最高裁判所との緊張関係は今後も続くと考えられる。なお米国特許法101条関連の近時の連邦最高裁判例については、既に多くの論考があり、また、特定の条文に関するもので本稿が意図する上記のような「傾向」とは趣旨が異なるため、本稿では触れていない。 |