「知財管理」誌
Vol.69 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 69巻(2019年) / 11号 / 1589頁 |
論文区分 | 判例と実務シリーズ(No. 499) |
論文名 | (No. 499) サックス用ストラップ事件─商品の形態のモデルチェンジ時の |
著者 | 塩田千恵子 |
抄録 | 不正競争防止法の形態模倣(同法2条1項3号)の類型では、他人の商品の最初の販売から3年間の保護期間に限定して、いわゆる他人の商品の形態のデッドコピーを禁じている。本件で問題となった対象商品は、サックス用ストラップであるが、その5つのパーツの内、主に需要者の注意を引きやすい特徴的部分であるV型プレートが旧商品から大幅にモデルチェンジされていた。そのため、原審判決、控訴審判決共にモデルチェンジ後の商品の販売開始時期を基準として保護期間を起算したが、商品の形態の「模倣」の判断では、原審と控訴審では全く逆の判断となり、原告(控訴人)は控訴審で逆転勝訴の判決を得るに至った。このような判断の違いがどうして生じたのか、原審と控訴審の「実質的同一性」についての判断手法の違いを考察すると共に、原告側、被告側各々の立場で商品の形態がモデルチェンジされた事案における実務上の留意点についても言及する。 |