「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 6号 / 908頁 |
論文区分 | 資料 |
論文名 | 日本における新特許異議申立制度の分析 |
著者 | 大門良仁/足立圭助/中村真弘/中島伸吾 |
抄録 | 特許異議申立制度が施行されてから2年目に入り、特許異議の申立ての件数は、2015年度で684件、2015年4月からの累計で1,001件(2016年8月現在)となった。そこで、本資料では、特許権者と特許異議申立人の双方にとって利用しやすい制度であるかという観点から、2016年10月12日現在における全464件の異議決定の内容を分析した。その結果、全464件の異議決定のうち、その殆どの430件は「特許維持の決定」であり、一方「特許取消の決定」は一部取消のものと合わせ僅か34件(7.3%)であった(4件の申立却下を含む)。さらに、当該特許取消決定34件を精査すると、そのうち23件は合議体からの取消理由通知後に特許権者による訂正や意見書の提出がなされず、そのまま取消決定になったものであった。他方、特許権者の適切な防御の応答があった審理の中で「特許取消の決定」となったものは11件であり、全体の僅か2.4%という結果であった。 |