「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 6号 / 849頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | 横流し品の商標権侵害に関する検討 |
著者 | 石居天平 |
抄録 | 製造受託先からの商標を付した横流し行為につき5つの類型に整理を行い、フレッドペリー事件上告審判決で示された要件の解釈適用による商標権侵害の検討を行った。製造委託では発注者である商標権者への納品が約され、検品等の品質管理を行う上で重要性の高い契約条項である。そのため、納品義務に反する横流しは商標権者の品質管理権能が阻害され、品質保証機能が害されるため商標権を侵害するものと考えられる。転々流通するなかで、各取引者が納品義務違反の商品か否かについて確認することは困難な場合が多いと思われる。しかし、近年は海外ECサイトより直接仕入れる小売業者も多く、侵害性の微妙な商品を選択した場合には、軽過失の参酌がされることなく損害賠償が認められるものと考えられる。 |