「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 5号 / 631頁 |
論文区分 | 論説 |
論文名 | ネットワークを介した海外からの特許侵害行為への対処 |
著者 | 滝澤ゆかり/黒川美陶 |
抄録 | ネットワークを介して国境を越えて特許権が侵害されるとき、国際裁判管轄や準拠法の渉外的要素を含む問題と、特許法の属地主義の問題が同時に惹起される。現在の知的財産権法によって、ネットワークを利用した新しいサービスの十分な保護が図れているだろうか。また、出願人は、国際裁判管轄、準拠法、そして特許法の属地主義による権利行使の制約を踏まえた上で、発明をいかに権利化するかを権利取得段階から意識し、日本および海外の複数国で強い特許権を取得できているだろうか。 本稿では、初めに、渉外的要素を含む知的財産権訴訟において問題となる、国際裁判管轄および準拠法に関する法令および裁判例の要点と、複数主体による侵害の類型について概説し、次に、ネットワークを介した国外からの特許権侵害の具体的事例について検討し、最後に、越境に強いクレーム・ドラフティングや出願戦略と、関連する条約および国内法改正の動向とについて説明する。 |