「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 4号 / 542頁 |
論文区分 | 特集(第4次産業革命と知財) |
論文名 | ゲノム編集技術の基本特許を巡る国際的動向及び研究開発への影響と対策─内閣府 戦略的イノベーション創造プログラムの視点より─ |
著者 | 橋本一憲/廣瀬咲子 |
抄録 | 近年、ゲノム上の狙った部位を自由に編集できる画期的なバイオ技術であるゲノム編集技術が次々と開発されてきたが、それらの基本特許は、海外アカデミアを中心に取得され、いまや世界を覆い始めている。将来、ノーベル賞の受賞技術となることが確実視されているCRISPR-Cas9については、基本特許を持つアカデミア同士の特許紛争も生じて流動的な状況にあるが、複数の企業が多額の投資と引き換えに実施権を取得してビジネスを加速させている。一方、我が国でも、ゲノム編集技術を様々な産業分野に応用するための国家プロジェクトが精力的に進められているが、これら基本特許や排他的実施権の影響が懸念される。強力な海外勢と対峙しながらゲノム編集成果を社会実装して我が国の産業の発展へと導くためには、海外基本特許を巡る状況とその効力を適確に把握・分析しながら、研究開発、知財、規制を含む総合的な国家戦略を構築し、産官学が連携して実行に移していく必要がある。 |