「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
| 掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 4号 / 501頁 |
| 論文区分 | 特集(第4次産業革命と知財) |
| 論文名 | ブロックチェーンの仕組みと知財管理への応用 |
| 著者 | 増島雅和／岡田淳 |
| 抄録 | ビットコインを動かすシステムとして、その応用が主に金融分野で模索されてきたブロックチェーン技術であるが、分散型帳簿としての本質が理解されるにつれ、金融資産以外の資産の帰属証明として、さらには資産の取引を確実に行うプラットフォームとしての価値に注目が集まるようになってきた。ブロックチェーン技術が従前のデータベースと異なるのは、管理者を想定することなく取引データの整合性を維持することができる点にある。帳簿の記載と実体法上の権利関係との結びつきが強ければ強いほど、帳簿管理の集中的な権限を持つ者が「権力」を持つことになるが、これを分散管理によって解き放つことを可能にするのがブロックチェーン技術であると言える。本稿では、ブロックチェーン技術の仕組みとその応用に関する一般論をおさらいしたうえで、知財分野における応用の可能性と、現在の技術水準でできる範囲を明らかにし、ブロックチェーンという破壊的な技術革新を前に知財コミュニティが向き合う姿勢について言及する。 |
