「知財管理」誌
Vol.67 記事詳細
掲載巻(発行年) / 号 / 頁 | 67巻(2017年) / 3号 / 381頁 |
論文区分 | 海外注目判決(No.24) |
論文名 | (No.24) [米国]パテントエージェントの秘匿特権とその適用範囲に関するCAFCの許可が与える影響 |
著者 | 浅地正吾/伊藤晴國 |
抄録 | パテントエージェントの秘匿特権を認めた、近時の米国連邦巡回控訴裁判所によるQueen’s University事件判決は、米国特許出願人や米国特許保有者にとって明るい材料である。これにより、特許出願人は特許審査のために特許弁護士の代わりにパテントエージェントを利用する一層の柔軟性を与えられ、パテントエージェントとのコミュニケーションの秘匿特権に関する紛争が減少すると考えられる。また、一般に米国パテントエージェントの費用は米国特許弁護士の費用に比べ格段に安いため、費用削減の可能性をもたらす。しかし、費用削減の可能性は、比較的狭く不明確な秘匿特権の適用範囲及びいくつかの州裁判所が秘匿特権を認めないリスクにより限定的となる可能性がある。利害関係人は、秘匿特権の適用範囲及びパテントエージェントとのコミュニケーションの内容に注意する必要があるが、綿密な計画を持って手続処理業務の一部を特許弁護士からパテントエージェントに移すことにより、米国特許出願の手続処理における費用削減が可能になると考えられる。 |